皆さん、日本解体新書へようこそ!
今回は「日本半導体製造装置協会 会員企業」の紹介シリーズです!
※日本半導体製造装置協会とは、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽光発電(PV)製造装置関連企業が主な会員の全国団体です。
今回は、「アルバック」について紹介です。
アルバックは、真空技術を基盤に半導体・自動車向けのスパッタリング装置や電子部品製造装置を販売しています。
この記事では、アルバックがどのようなメーカーで、どのような製品を取り扱っているか。
歴史や業績を交えて徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むとわかること!
- アルバックの企業情報
- アルバックの歴史、業績
- アルバックの働き方
- アルバックの強み
Contents
アルバックの特徴とは?事業内容や歴史について解説
ここでは会社の特徴や事業内容と歴史を解説します!
アルバックとは?
アルバックは、世界トップクラスの真空装置メーカーです。
社名 | 株式会社アルバック (証券コード:6728) |
設立時期 | 1952年8月 |
代表取締役 | 岩下 節生 |
主要事業 | ・真空機器 ・真空応用 |
資本金 | 168億4,740万円 |
本社所在地は神奈川県茅ヶ崎。
歴史も長く、設立は1952年、2022年に設立から70周年を迎えました。
東証に上場しており、東証プライム市場(証券コード:6728)。
アルバックの基本情報
アルバックの基本情報は以下の通り。
売上高~セグメント別売上高は「2023年度決算短信」、平均年収~初任給は「リクナビ2025」 を参照しています。
売上高 | 2,611億円 (前年比:14.8%) |
営業利益 | 297億円 (前年比:49.3%) |
営業利益率 | 11.3% |
セグメント別:真空機器 | 2,129億円 |
セグメント別:真空応用 | 455億円 |
平均年収 | 813万円 |
従業員数(単独) | 1,689人 |
従業員数(連結) | 6,208人 |
平均年齢 | 44.2歳 |
勤続年数 | 16.6年 |
残業時間 | 23時間 |
本社 | 神奈川県茅ヶ崎市 |
勤務地 | 【工場・研究所】 神奈川県茅ヶ崎市 静岡県裾野市 千葉県富里市 千葉県山武市【研究所】 大阪府吹田市 【工場】 鹿児島県霧島市 青森県八戸市 |
初任給(学部卒/修士卒) | 大学 :224,700円
大学院 :236,700円 |
アルバックの歴史
アルバックは、1952年に米国の真空機器の輸入販売を目的として、日本真空技術株式会社が創業されました。
当時はまだ日本では真空技術が普及していないときでした。
創業から3年後の国産装置に着手し、真空化学装置と真空ポンプの製造を開始しました。
2001年にアルバックに社名変更。
2004年には上場を果たしています。
真空産業はヨーロッパで興りましたが、今ではアルバックが世界で唯一の真空総合メーカーです。
アルバック(ULVAC)とは「Ultimate in Vacuum」のULとVACを合わせた「真空の極限を追求する」という意味が込められているそうです。
これからの活躍に目が離せないですね。
真空機器の世界トップ・アルバックの主な製品ジャンル)
アルバックは 2 つの事業に分かれています。
その中でも売上高の多くを占めているのがスパッタリング装置、半導体・電子部品製造装置、コンポーネント、一般産業用装置などを扱う「真空機器事業」です。
他には、電子・X線を用いた分析装置を扱う「応用真空事業」があります。
ここでは、「真空機器」・「応用真空」について簡単に解説します。
真空機器
アルバックの強みである真空装置を扱う事業分野です。
半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置と産業機器についてここでは解説します。
液晶ディスプレイ製造装置
(スパッタリング装置、 真空蒸着装置、 巻取式成膜装置)
用途:
- 液晶、有機ELパネル製造時の薄膜形成工程
- 有機ELパネル製造時の発光層など形成工程
- 各種フィルムへの薄膜形成工程
半導体製造装置
(スパッタリング装置、真空蒸着装置、CVD装置、エッチング装置、アッシング装置、イオン注入装置)
製品用途:
- 半導体製造時の薄膜形成工程
- 電子部品製造時の薄膜形成、微細加工工程
一般産業用装置
(真空熱処理炉、真空ろう付炉、真空溶解炉、希土類磁石生産装置)
用途:
- 熱処理加工
- 自動車などの熱交換器の真空ろう付
- 高性能磁石製造時の真空溶解、真空焼結
- 医薬品の製造
半導体メーカーに加えて、自動車部品メーカー、高性能磁石メーカー、化学メーカーなど幅広い分野で技術力を生かすアルバック。
培ってきた基盤技術をもとにこれからも技術革新を続け、社会をより高度に便利にしてくれます。
応用真空
応用真空事業では、薄膜の膜厚や屈折率を高速・高精度に測定する分光装置を扱っています。
分析装置にあたる技術であるため、研究分野では材料の表面分析などの微細構造を確認する際に必要とされます。
マスクブランクス装置も扱っており、真空機器から派生した製品は拡大していっています。
アルバックの強み
製品の品質の高さ・開発力の高さを備えていることはもちろんですが、アルバックの強みは多くあります。
確固たる真空技術と研究開発力について注目してみましょう。
アルバックの強み①:真空技術
アルバックで最も売り上げのあるセグメントが「真空機器事業」です。
ヨーロッパで生まれた真空技術は、多くの企業が目をつけ成長させてきました。
中でもアルバックの前身である「日本真空技術株式会社」はその輸入業から起こり、その国産化を成功させてきました。
現在は、ほかの会社が撤退する中、真空機器分野で世界トップ。
真空装置は空気などのダストに触れてはいけない条件で用いられるため、最も求められるのは信頼性です。
業界内での圧倒的な存在感と高いシェア、それらを支える信頼性が今日のアルバックを作ってきたと言えるでしょう。
アルバックの強み②:研究開発力
アルバックは最先端の産業に大きく貢献しています。
その分、中長期的な製品開発が必要となります。
今後アルバックがテーマとして掲げている産業分野は下の通りです。
・先端ロジック
・NAND/DRAM
・次世代バッテリー
・パワーデバイス
・電子部品(MEMS、センサー)
・オプトデバイス(μOLED、μLED)
・パッケージング(WLP、PLP)
これらを支えるために、研究開発費を年間 750 億円投資することを明言しています。
アルバックの企業研究まとめ
アルバックは2023年度も好調でした。
アルバックは、半導体やフラットパネルディスプレイ、食品、化学など幅広い分野に存在感があります。
就活をする上では、世界トップシェアの真空機器メーカーであることをお忘れなく。
高いシェアに支えられた、高い利益率、高い年収は優秀な人材をあつめており、今後に期待です。