皆さん、日本解体新書へようこそ!
今回は「日本半導体製造装置協会 会員企業」の紹介シリーズです!
※日本半導体製造装置協会とは、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽光発電(PV)製造装置関連企業が主な会員の全国団体です。
今回は、「堀場製作所」について紹介です。
堀場製作所は、「はかる」技術で新素材、エネルギー、鉄鋼、食品、バイオ、化学に貢献する分析・計測機器の総合メーカーです。
その中でもエンジン排ガス測定・分析装置分野で80%の世界トップシェアを誇ります。
この記事では、堀場製作所がどのようなメーカーで、どのような製品を取り扱っているか。
歴史や業績を交えて徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むとわかること!
- 堀場製作所の企業情報
- 堀場製作所の歴史、業績
- 堀場製作所の働き方
- 堀場製作所の強み
Contents
堀場製作所の特徴とは?事業内容や歴史について解説
ここでは会社の特徴や事業内容と歴史を解説します!
堀場製作所とは?
堀場製作所は京都府に本社をもつ分析・計測機器の総合メーカーです。
社名 | 株式会社堀場製作所 (証券コード:6856) |
設立時期 | 1953年1月 |
代表取締役 | 堀場 厚 |
事業内容 | ・半導体 ・自動車 ・科学 ・医用 ・環境プロセス |
資本金 | 120億1,100万円 |
本社所在地は京都市南区です。
設立は1953年、2023年には創業70周年を迎える企業になります。
また、東京証券取引所 プライム市場に上場しています。
堀場製作所の基本情報
堀場製作所の基本情報は以下の通り。
売上高~セグメント別売上高は「有価証券報告書」、平均年収~初任給は「マイナビ2025」 を参照しています。
売上高 | 2,905億円 (前年比:7.6%) |
営業利益 | 472億円 (前年比:3.2%) |
営業利益率 | 16.2% |
セグメント別:半導体 | 1,128億円 (38.8%) |
セグメント別:自動車 | 804億円 (27.6%) |
セグメント別:科学 | 396億円 (13.6%) |
セグメント別:医用 | 326億円 (11.2%) |
セグメント別:環境・プロセス | 249億円 (8.5%) |
平均年収 | 692万円 |
従業員数(単独) | 6,039人 |
平均年齢 | 42.4歳 |
勤続年数 | 15.1年 |
残業時間 | 14.2時間 |
本社 | 京都市南区吉祥院 |
勤務地 | 【セールスオフィス】 東京都千代田区神田 大阪市淀川区西中島 名古屋市西区則武新町 札幌市中央区南一条 etc. 【先端技術センター】 京都市南区上鳥羽鉾立町 【工場】 滋賀県大津市苗鹿 |
初任給(学部卒/修士卒) | 大学院卒:270,800円
学部卒:245,200円 |
堀場製作所の歴史
設立前の 1945 年に堀場雅夫氏が「堀場無線研究所」を創立したのが始まり。
1950年に国産初のガラス電極式pHメーターを開発。
3年後に「(株)堀場製作所」を設立しました。
研究所から始まった、堀場製作所は「研究開発型企業」としての基礎を設立当時から固めていたそうです。
以下は代表的な検査措置の開発年です。
1957年 赤外線ガス分析計
1964年 大気汚染監視用CO計
1976年 エネルギー分散形X線分析装置
1984年 レティクル異物検査装置
1987年 世界初の平面センサのカード型pHメータ
1998年 世界初の血球&炎症測定器
2002年 有害元素蛍光X線検査装置
2012年 ナノ粒子径分布・濃度測定装置
2020年 ラマンイメージング装置
2021年 レティクル/マスク異物検査装置
現在の堀場製作所は、世界29の国と地域に50のグループ会社を持つグローバル企業です。
「エネルギー・環境」「バイオ・ヘルスケア」「先端材料・半導体」の3分野において、分析・計測装置から産業を支えています。
多様な事業とユニークな企業文化をもつ堀場製作所の活躍に目が離せないですね。
環境分析・計測機器の世界的メーカー・堀場製作所の主な製品ジャンル
堀場製作所は以下の5つの事業に分かれています。
- 半導体
- 自動車
- 科学
- 医用
- 環境・プロセス
この中でも売り上げ比率の高い「半導体」と「自動車」について解説していきます。
半導体
堀場製作所の手掛ける計測装置の中でも半導体システム機器の「マスフローコントローラー」は世界トップシェアを誇ります。
マスフローコントローラとは、流体の「質量流量」を計測し流量制御を行う機器のことです。
質量流量とは、流体の質量のことで、半導体製造をはじめとした高性能デバイスの製造に幅広く使われています。
他にも異物検査装置やプラズマ制御装、薄膜検査装置など計測と制御のスペシャリストとして様々ラインナップしています。
自動車
電気自動車をはじめとした自動車の電動化や先進的な自動運転技術、成長を続ける内燃機関(エンジン)の開発を支えているのが堀場製作所です。
事業として扱っているのは以下の通り。
- エンジン排ガス測定装置
- テストシステム/ドライブライン
- エンジン・ブレーキ
- 試験装置/燃料電池・バッテリー
- 車両開発エンジニアリング
中でも、自動車排ガス測定・分析装置分野は、1965年に国産第一号の自動車排出ガス計測装置を発売してから現在まで研究を続けています。
その結果、世界シェアは80%。
日本をはじめ、ヨーロッパやアメリカでも活躍しています。
堀場製作所の強み
堀場製作所の強みは「5つのコア技術」と「5つの事業のバランス」です。
ここでは、その2つの強みについて解説していきます。
堀場製作所の強み①:5つのコア技術
堀場製作所は、設立当時から培った分析・計測が今の強みです。
5つのコア技術とは以下の通り。
- 赤外線計測
- ガス流量制御
- 粒子計測
- 分光分析
- 液体計測
それらの研究開発を支えるのは、売上高の 7~9% を占める研究開発費です。
2023年度は 204億円を費やしており、今後の産業に必要な技術を生み出し続けています。
堀場製作所の強み②:5つの事業のバランス
堀場製作所は、計測・分析装置を幅広い分野に供給しています。
特に5つの事業を定めています。
それは以下の通り。
- 自動車
- 環境・プロセス
- 医用
- 半導体
- 科学システム機器
これらにバランスよく研究開発し、市場の変化に対応しながら成長してきました。
半導体向け装置は生成AI需要を取り込み、自動車では設備の更新に合わせて受注が入ってくる。
持続的な成長を可能としているのは、堀場製作所の強みといえるでしょう。
堀場製作所の企業研究まとめ
堀場製作所は2023年度も好調でした。
エンジン計測器は欧州中心に成長、半導体向け装置も回復が見込まれています。
就活をする上では、堀場製作所は「世界トップクラスの環境分析・計測機器メーカー」であることをお忘れなく。