企業解説

ギガフォトンとは?露光装置の光源メーカー!強みと特徴、歴史・年収を紹介

皆さん、日本解体新書へようこそ!

今回は「日本半導体製造装置協会 会員企業」の紹介シリーズです!

日本半導体製造装置協会とは、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽光発電(PV)製造装置関連企業が主な会員の全国団体です。

今回は、「ギガフォトン」について紹介です。

ギガフォトンは、半導体製造における露光装置の光源メーカーとして世界2社しか作れない装置を販売しています。

この記事では、ギガフォトンがどのようなメーカーで、どのような製品を取り扱っているか。

歴史や業績を交えて徹底解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読むとわかること!

  • ギガフォトン企業情報
  • ギガフォトンの歴史、業績
  • ギガフォトンの働き方
  • ギガフォトンの強み

 

ギガフォトンの特徴とは?事業内容や歴史について解説

ここでは会社の特徴や事業内容と歴史を解説します!

 

ギガフォトンとは?

ギガフォトンは、世界トップクラスの露光装置用の光源メーカーです。

社名 株式会社ギガフォトン
(親会社:小松製作所 証券コード:6301)
設立時期 2000年8月1日
代表取締役 榎波 龍雄
主要事業 ・エキシマレーザー
・加工用レーザー
資本金 50億円

本社所在地は栃木県小山市。

歴史は浅く、設立は2000年、2020年に設立から20周年を迎えました。

東証には上場しておりませんが、親会社である小松製作所は東証プライム市場に上場しています(証券コード:6728)。

 

ギガフォトンの基本情報

ギガフォトンの基本情報は以下の通り。

売上高~セグメント別売上高は「」、平均年収~初任給は「リクナビ2025」 を参照しています。

売上高 566億円
営業利益 62億円
営業利益率 11.3%
セグメント別:真空機器 2,129億円
セグメント別:真空応用 455億円
平均年収 744万円
従業員数(連結) 1,361人
平均年齢 44.2歳
勤続年数 10.1年
残業時間 19.4時間
本社 栃木
勤務地 《国内事業所》
栃木:本社・工場
《国内サービス拠点》
岩手:東北事務所
栃木:小山事業所(本社内)
三重:四日市事務所
広島:広島事務所
熊本:九州事務所
初任給(学部卒/修士卒) 大学   月給:276,600円

大学院  月給:286,600円

 

ギガフォトンの歴史

ギガフォトンは 2000年に設立されました。

ですが、ギガフォトンの扱っているエキシマレーザーの研究は実はもっと古く1983年から小松製作所で行われていました。

2011年に光源であるエキシマレーザー装置の出荷台数は 1000台に到達。

2015年には露光装置用のエキシマレーザーのシェアは 65% までに成長しました。

これはスマホやパソコンに使われている半導体の半分以上がギガフォトンのレーザーで露光されていることを意味します。

現在もライバルである米国・cymer 社と露光装置のシェアを取り合っており、半導体分野の成長を支えています。

 

エキシマレーザーの2大メーカー・ギガフォトンの主な製品ジャンル

ギガフォトンの主な製品分野はエキシマレーザーです。

エキシマレーザは、可視光よりも短波長であり、光を集めた際の幅が狭いです。

そのため、半導体に露光できる線幅を小さくすることができます。

現在は ArF(193nm)、KrF(248nm)の二種類のエキシマレーザーを生産しています。

ここでは ArFレーザーとKrFレーザーの二つについて解説します。

 

ArFレーザー

ギガフォトンの強みであるエキシマレーザーの一つです。

ArF には ArF Immersion と ArF Dry の二種類があります。

ArF Immersion は液浸露光の装置です。

現在の最新機、GT80A や GT66A などはこちら向けに使われています。

ArF Dry は通常の露光に使われる装置です。

こちらは GT45A や GT40A で使われています。

 

KrFレーザー

ギガフォトンの強みであるエキシマレーザーの一つで 248nm の波長です。

露光装置に加えて、レーザ加工用高出力もラインナップされています。

現在の最新機種はG300K や G60K などのようです。

 

ギガフォトンの強み 市場シェアや業績など

製品の品質の高さ・開発力の高さを備えていることはもちろんですが、ギガフォトンの強みは多くあります。

世界で2社だけのエキシマレーザーと研究開発力について注目してみましょう。

 

ギガフォトンの強み①:世界で2社だけのレーザー

ギガフォトンの主力製品でもあるエキシマレーザー。

エキシマレーザーは 1966年に提唱され、世界中のメーカーが次世代のレーザーとして開発を行ってきました。

1988年の「小特集:エキシマレーザによるプロセシング技術」では以下の会社が開発していたと述べられています。

  • 三菱電機:ArF , KrF
  • 浜松ホトニクス:ArF , KrF , XeCl
  • 日新電機:ArF , KrF
  • 小松製作所(現:ギガフォトン):ArF , KrF , XeCl

現在では、ギガフォトンのみとなっており開発の難しさがわかります。

 

ギガフォトンの強み②:EUV開発

ギガフォトンはエキシマレーザーに加えて、EUVの開発も行っています。

EUV は現在の世界最先端の半導体に使われている技術です。

波長は 13.5 nm。

これはエキシマレーザよりも一桁短い波長であり、半導体の微細化には欠かせない技術です。

現在、露光装置のトップ企業 蘭・ASML はEUV 露光装置を 約500億円で販売しておりますので付加価値の高さがわかります。

 

ギガフォトンの企業研究まとめ

ギガフォトンは2023年度、半導体市場の減速に伴い不調でした。

ですが、半導体製造には欠かせない企業です。

就活をする上では、世界トップシェアの露光装置用の光源メーカーあることをお忘れなく。

高いシェアに支えられた、高い利益率、高い年収は優秀な人材をあつめており、今後に期待です。

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