皆さん、日本解体新書へようこそ!
※日本半導体製造装置協会とは、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽光発電(PV)製造装置関連企業が主な会員の全国団体です。
今回は、「フジキン」について紹介です。
フジキンは、パソコンやスマートフォンに不可欠な半導体製造において大いに活躍している配管などにつかうバルブのトップメーカーです。
また。フジキンは水素技術にもかかせないです。
半導体製造では、数ナノメートル(10億分の1)単位で回路が書き込まれます。
その時に問題になるのが、ダストと呼ばれる埃や塵です。
問題を解決するには、装置内を真空状態することです。
フジキンは、その中でも機械につながっているガス配管の開閉や接続を行う「バルブ」で国内シェア 65%を誇る企業です。
この記事では、フジキンがどのようなメーカーで、どのような製品を取り扱っているか。
歴史や業績を交えて徹底解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むとわかること!
- フジキンの企業情報
- フジキンの歴史、業績
- フジキンの働き方
- フジキンの強み
Contents
フジキンの特徴とは?事業内容や歴史について解説
ここでは会社の特徴や事業内容と歴史を解説します!
フジキンとは?
フジキンは半導体製造用バルブ(国内シェア65%)、宇宙ロケット用バルブ(国内シェア約80%)を誇るバルブメーカーです。
社名 | 株式会社フジキン(非上場) |
設立時期 | 1954年9月 |
代表取締役 | 田中 久士 |
事業内容 | ・バルブ等、特殊精密ながれ(流体)機器 ・新規事業 ・ライフサイエンス事業 (医療機器装置、超ちょうざめ養殖事業他) |
資本金 | 1億円 |
本社所在地は大阪府大阪市北区です。
設立は1954年、創業はなんと 1930年です。
2030年には創業100周年を迎える企業になります。
また、非上場です。
フジキンの基本情報
フジキンの基本情報は以下の通り。
売上高~セグメント別売上高は「公式HP」、平均年収~初任給は「マイナビ2025」 を参照しています。
売上高 | 1,700億円 |
営業利益 | 非公開 |
営業利益率 | 非公開 |
平均年収 | 非公開 |
従業員数(単独) | 6,039人 |
平均年齢 | 40.8歳 |
勤続年数 | 11.5年 |
残業時間 | 20.9時間 |
本社 | 東京 |
勤務地 | 【工場】 茨城・岩手・大阪(東大阪市・柏原市) 【研究所】 大阪(大阪市) 【営業所】 岩手・宮城・東京・山梨・埼玉・茨城富山・神奈川・愛知・大阪・兵庫・広島 福岡・熊本 |
初任給(学部卒/修士卒) | 大学院卒:242,900円
学部卒:226,401円 |
フジキンの歴史
フジキンの歴史は、小島準次氏が 1930年に「小島商店」を始めたことから始まります。
当時は配管材料、機械金属製品の卸売販売を行っていたそうです。
国産のバルブの生産を目標に 1954年に「富士金属工作(株)」を設立。
ここからバルブ開発の躍進が始まります。
1958年 完全逆止弁の開発
1959年 真空用バルブの開発
1964年 半永久バルブ(世界7か国で特許取得)の開発
1969年 ニードル式電磁弁、小型鋳造性ボール弁を開発
などなど多くのバルブを開発してきました。
現在は、半導体製造には欠かせないメーカーに成長、ライフサイエンス分野への進出も進めています。
バルブや継ぎ手のトップメーカー・フジキンの主な製品ジャンル
フジキンは 3 つの事業に分かれています。
その中でも売上高の多くを占めているのが「バルブ機器・特殊精密バルブ」です。
幅広い分野で活躍しているため、どのような分野で使われるか解説します。
また、チョウザメの完全養殖にチャレンジしている「ライフサイエンスプロジェクト」についても解説します。
バルブ機器・特殊精密バルブ
創業当時から開発を行っているフジキン。
バルブ機器を中心に精密流速制御にチャレンジし続けてきており、最先端のモノづくりを支えてきました。
現在では大きく6つの分野で活躍しており、最先端を支えていることがわかります。
一つ一つ解説していきましょう。
- 半導体製造分野
半導体製造装置に用いられる産業ガスの制御とクリーンルームのコントロールに用いられています。
ナノメートルクラスの半導体製造にも欠かせない企業です。
- 宇宙分野
1976年のロケット用バルブから宇宙分野に携わっています。
燃料となる液体水素や液体酸素の充填、宇宙空間での生命維持装置にも用いられています。
- 水素分野
ロケットの技術をコアに、水素ステーションの貯蔵、液体水素の輸送などの専用バルブを開発しています。
- 医薬・食品分野
医療・食品では細菌の侵入は許されません。
無菌製造ラインに活用される安全性を高めたバルブを提供しています。
- 二次電池分野
電気自動車やスマートフォンなどには不可欠なリチウムイオン電池。
その製造プロセスを支えているのがフジキンのバルブです。
脱炭素社会を実現するためにも必要な技術でしょう。
- 分析・計測・プラント分野
石油化学プラントや液化天然ガスプラントでの制御、監視を行う分析機器用のバルブを開発。
公害対策用のバルブも取り揃えており、世界中で活躍しています。
ライフサイエンスプロジェクト
フジキンの新たな挑戦領域であるのが「ライフサイエンス」。
医療機器では、超音波診断機器やX線撮影装置。
日本で初めてチョウザメの人工ふ化を実証した「チョウザメ事業」もあります。
長年培ってきた流れ制御技術を生かして、世界初の完全養殖にも成功しています。
フジキンの強み
フジキンの強みは「幅広い分野に必要とされる商品」と「流れ制御の技術」です。
ここでは、その2つの強みについて解説していきます。
フジキンの強み①:幅広い分野に必要とされる商品
フジキンの強みであるバルブの分野は、半導体製造にとどまりません。
導体、石油化学、バイオ、医薬、食品、新エネルギーなど多岐にわたります。
国内外の様々なユーザーに最適なバルブを提供しているフジキン。
専門企業は一つの市場に依存度が高まってしまう傾向がありますが、フジキンはその点をうまく分散させていると言えるでしょう。
フジキンの強み②:流れ制御の技術
“ないものを創る”という精神のもと、フジキンは水や大気の「ながれ」の高度な技術を有します。
それらは環境負荷の軽減にもつながっています。
コア技術をもとにライフサイエンス事業やチョウザメ養殖といった新ジャンルの事業に挑戦するフジキンは時代の変化に合わせた成長が見込めるでしょう・
フジキンの企業研究まとめ
フジキンの2023年度は有価証券報告書がないためわかりませんでした。
ただ、半導体をはじめとする高度な産業が続く限り、真空技術は不滅でしょう。
就活をする上では、フジキンは「バルブのトップメーカー」であることをお忘れなく。