企業解説

THKとは?直動電動アクチュエータ(LMガイド)の世界トップ!強みと特徴、歴史を紹介

皆さん、日本解体新書へようこそ!

今回は「日本半導体製造装置協会 会員企業」の紹介シリーズです!

※日本半導体製造装置協会とは、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽光発電(PV)製造装置関連企業が主な会員の全国団体です。

今回は、「THK」について紹介です。

THK は、世界初の「直線運動部の転がり化」を開発し、日本国内約70%、世界でも60%のシェアをもつ大手機械要素部品メーカーです。

米野球ドジャース、カブスの本拠地に広告看板も掲載しているためご存じの方もいるかもしれません。

この記事では、THK がどのようなメーカーで、どのような製品を取り扱っているか。

歴史や業績を交えて徹底解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読むとわかること!

  • THK の企業情報
  • THK の歴史、業績
  • THK の働き方
  • THK の強み

 

THK の特徴とは?事業内容や歴史について解説

ここでは会社の特徴や事業内容と歴史を解説します!

 

THK とは?

THK は、東京都港区芝浦に本社をもつ、直動案内機器で世界シェア50%を超える機械要素部品メーカーです。

社名 THK 株式会社
(証券コード:6481)
設立時期 1971年3月
代表取締役 寺町 彰博
事業内容 ・機械要素部品
(LMガイド、ボールスプライン、ボールねじ、LMガイドアクチュエータ)
・メカトロ関連製品
(精密XYステージやリニアモータアクチュエータ)
・自動車部品
(リンクボール・ロッドエンド)
・THK免震システム
資本金 3億4,606万円

設立は1971年、2021年には創立50周年を迎える企業になります。

東京証券取引所 プライム市場に上場しています。

また豆知識ですが、THK がユーザーへのノルマと化している3文字の頭文字に由来します。

  • タフネス「Toughness」:頑丈で長持ちする製品をお届けする)
  • ハイクオリティ「High Quality」:世界最高品質の製品をお届けする
  • ノウハウ「Know-how」:新たなノウハウづくりのお手伝いをする

 

THK の基本情報

THK の基本情報は以下の通り。

売上高~セグメント別売上高は「有価証券報告書」、平均年収~初任給は「マイナビ2025」 を参照しています。

売上高 3,519億円
(前年比:-10.6%)
営業利益 237億円
(前年比:-31.2%)
営業利益率 7.4%
平均年収 601万円
従業員数(単独) 4,068名
従業員数(連結) 13,360名
平均年齢 40.8歳
勤続年数 18.3年
残業時間 20.8時間
本社 東京都港区芝浦
勤務地 【テクニカルセンター】
東京都大田区東糀谷
【工場】
山梨県中央市
山口県山陽小野田市
山形県東根市
三重県松阪市
岐阜県不破郡
群馬県桐生市
初任給 大学院卒:246,000円

学部卒:226,000円

 

THK の歴史

THK は1971年に東邦精工(株)を設立したところから始まります。

当時は、リングボールやLMローラーを販売していました。

現在の THK の主力製品である LMガイドは 1972年に初代が発売されました。

その後、1984年に現在の THK(株)に商号しました。

LMガイドの研究は続けられ、

  • 1986年 ラジアル形LMガイドSR形
  • 1990年 LMガイドアクチュエータKR形
  • 1991年 クロスLMガイドCSR形
  • 1996年 ボールリテーナ入りLMガイドSSR形
  • 1998年 ボールリテーナ入りLMガイドSHS形
  • 2001年 ローラーリテーナ入りLMガイドSRG形
  • 2003年 ボールリテーナ入りLMガイドアクチュエータSKR形
  • 2004年 マイクロLMガイドRSR1/RSR2形
  • 2011年 ボールリテーナ入りLMガイドSPR/SPS形
  • 2017年 DB構造LMガイドHDR形
  • 2019年 ローラータイプLMガイドHRX形
  • 2021年 ミニチュアローラータイプLMガイドHRG形

と現在に至るまで、数々のLMガイドをリリースしてきました。

現在では、世界に先駆けて開発したLMガイド(電動アクチュエータの「直動システム」)は世界1位、ボールねじは世界2位と業界トップを維持しています。

 

直動電動アクチュエータ(LMガイド)の世界トップ・THK の主な製品ジャンル

THK は以下のような事業領域でビジネスを行っています。

  • 産業機器
  • ロボット
  • IoTサービス
  • 民生分野
  • 輸送機器

その中でも主要なビジネスである「産業機械」と「ロボット」について解説します。

 

産業機械

THK は創業当時から LMガイドなどの産業機械を扱ってきました。

現在では、世界シェアNo.1 の直動電動アクチュエータ(LMガイド)をはじめ、ボールねじ、スライドレールなどの製品を扱っています。

これら製品は、工作機械や半導体製造装置などの産業用機械に不可欠な製品です。

THK の製品により、高精度化や高剛性化、高速化に貢献す、生産ラインの自働化ニーズにも貢献しています。

 

ロボット

産業機械で培ったコア技術をもとに、製造現場において必要とされる搬送・協働ロボットを提供しています。

近年では、人手不足や効率化を目的とした物流現場の省人化実現に向けて、ロボット市場は今後も大きく成長していきます。

THKはロボット開発に最適なプラットフォームロボットから搬送・協働ロボットまで、幅広い商品を提供しています。

 

THK の強み

THK の強みは「グローバル展開」、「新規分野への展開」、「ビジネススタイルの変革」です。

ここでは、その3つの強みについて解説していきます。

 

THK の強み①:グローバル展開

THKは、日本、中国、米州、欧州、アジアの各地域において、現地生産し販売を行う「製販一体体制」を取っています。

海外拠点の数はなんと 100拠点。

世界シェア5割を維持し、海外売上高比率 60%を超える秘訣はここにあります。

ここでは具体的にどれくらいの割合を占めているかチェックしましょう。

  • 日本 :売上高 1,087億円(33%) 拠点数 60
  • 中国 :売上高 599億円(17%) 拠点数37
  • 欧州 :売上高 698億円(20%) 拠点数17
  • 米州 :売上高 883億円(25%) 拠点数16
  • アジア:売上高 250億円(5%) 拠点数31

※拠点数は、販売拠点、生産拠点、開発拠点を含みます。

 

THK の強み②:新規分野への展開

THK の新事業として、「ACE事業部」と「輸送機器統括本部」と「IMT事業部」があります。

  • ACE事業部(Amenity Creation Engineering):
    住宅の免震・制震装置やホームオートメーションのサポート
  • 輸送機器統括本部:
    自動車の安全性向上に役立つ自動車要素部品
  • IMT事業部( Innovation Mechatronics Technology):
    電動アクチュエータシリーズ、次世代ロボット関連製品

これらは、今まで培ってきた直動システムを基礎とノウハウをもとに専門部署化しています。

そして事業を成長させていくことで、医療機器や航空機、再生可能エネルギーへの事業拡大を目的にしています。

 

THK の強み③:ビジネススタイルの変革

THK は、IoT、クラウド、AIなどの技術を生かす土台があることも強みです。

現在は、製造業向けIoTサービス「OMNI edge」や非対面コミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」を提供。

NTTドコモ・シスコシステムズなどと共同して、時代に合わせたビジネスを展開しています。

 

THK の企業研究まとめ

THK は2023年度はやや軟調でした。

機械要素部品のメーカーであるため、機械の発注量が下がる=企業が設備投資を控えるタイミングは向かい風が吹く傾向があるようです。

ですが、世界に先駆けて取り組んだLMガイドは、 THK を世界トップシェアの会社へと押し上げていきました。

今後も必要とされる技術をもつ THK の将来は明るいと言えるでしょう。

就活をする上では、THK は世界トップの「 直動電動アクチュエータ(LMガイド)」を作る機械要素部品のメーカーであることをお忘れなく。

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